Japanese
English
経験と考察
母指手根中手関節症に対する第1中手骨矯正骨切り術の臨床成績
Outcomes of the first metacarpal osteotomy for thumb carpometacarpal arthritis
松田 匡弘
1
,
井浦 国生
1
,
石原 康平
1
,
富永 冬樹
1
,
村上 剛史
1
,
牛尾 哲郎
1
M. Matsuda
1
,
K. Iura
1
,
K. Ishihara
1
,
F. Tominaga
1
,
T. Murakami
1
,
T. Ushio
1
1福岡整形外科病院
1Fukuoka Orthopaedic Hospital, Fukuoka
キーワード:
CM arthritis
,
metacarpal osteotomy
,
subluxation
Keyword:
CM arthritis
,
metacarpal osteotomy
,
subluxation
pp.7-10
発行日 2024年1月1日
Published Date 2024/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei75_7
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は じ め に
母指手根中手(CM)関節症に対する第1中手骨矯正骨切り術は,本邦では二見ら1)が報告した対立位外転矯正骨切り(abduction-opposition wedge osteotomy:AOO)が一般的である.AOOはWilsonの伸展骨切りを基本に,可動域の改善を意図して伸展橈屈方向への矯正へ改良したと記載されている1).また二見らは,手術適応は著明な関節不安定性を認めないものとしており,Eaton分類stageⅢの症例では不良例があったと報告している1).Eaton分類の問題点として,検者間信頼性が低く,検者内信頼性も中等度である点があげられる2).また正しく病期が評価できても,症状と一致しないこと3),X線所見が症状と比較して過小評価されること4)などもあげられる.このように母指CM関節症においていまだ有用な画像評価がない中で,関節温存治療であるAOOにおける適切な評価法や手術適応がまたれている.
本稿ではAOO後の患者立脚型評価(patient reported outcome measures:PROMs)に相関する臨床所見や画像所見を調査した.
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