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【要 旨】
目 的:本研究の目的は,松代膝検診の縦断調査データを用いて,大腿骨および脛骨の皮質骨厚(CBT)と膝関節形態[膝関節の冠状面アライメント(大腿脛骨角:FTA)および関節面傾斜角]の約25年間にわたる経時的変化を明らかにすることである.
対象および方法:対象は,23~28年間追跡が可能であり,かつベースライン時のX線像において健常膝と評価された女性235例,285膝[Kellgren-Lawrence分類(KL)grade 0または1]とした.最終経過観察時のX線像に基づき,対象膝をnon-OA群(52膝,KL grade 0または1),early-OA群(131膝,KL grade 2),advanced-OA群(102膝,KL grade 3または4)の3群に分類した.これらの群において,大腿骨および脛骨のCBT,FTA,大腿骨関節面傾斜角(FCA),脛骨関節面傾斜角(TPA)などの膝関節形態の経時的変化を縦断的に評価した.
結 果:膝OA群(early-OA群およびadvanced-OA群)では,FTA(p<0.001)に加え,FCAおよびTPAにおいて有意な内反変化が認められた(p<0.05).さらに,全群においてCBTの低下および内外側CBT比の増加が観察された(p<0.001).特にknee phenotypeにおいてFTAおよびTPAの内反変化が顕著であった.
結 論:本研究により,膝OA群において皮質骨厚,FTA,関節面傾斜角,knee phenotypeの経時的変化が明らかとなった.また,ベースライン時におけるFTAおよびTPAは,日常診療において膝OAの発症予測に有用である可能性が示唆された.
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