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変形性膝関節症における膝蓋下脂肪体の超音波弾性と膝前方痛との関連
Association between infrapatellar fat pad ultrasound elasticity and anterior knee pain in patients with knee osteoarthritis
佐竹 哲典
1
,
泉 仁
1
,
阿漕 孝治
1
,
池内 昌彦
1
Y. Satake
1
,
M. Izumi
1
,
K. Aso
1
,
M. Ikeuchi
1
1高知大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Kochi Medical School, Kochi University, Kochi
キーワード:
infrapatellar fat pad
,
anterior knee pain
,
ultrasound elastography
,
knee osteoarthritis
Keyword:
infrapatellar fat pad
,
anterior knee pain
,
ultrasound elastography
,
knee osteoarthritis
pp.82-84
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei76_82
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【要 旨】
目 的:変形性膝関節症(膝OA)患者における,膝前方痛と膝蓋下脂肪体の弾性との関係を明らかにすることである.
対象および方法:膝OA患者97例を対象とした.膝蓋下脂肪体の弾性は超音波エラストグラフィを用いてせん断波速度で評価した.膝前方痛の有無で2群に分け,年齢,性別,Kellgren-Lawrence(KL)グレード,Hoffaスコア,effusion synovitisスコア,bone marrow lesionスコア,膝蓋下脂肪体体積/体重,せん断波速度について単変量,ロジスティック回帰分析を行った.
結 果:単変量解析では,せん断波速度に有意差があった.ロジスティック回帰分析では,せん断波速度が唯一の有意な説明変数となり,膝前方痛のある膝OA患者では,膝蓋下脂肪体のせん断波速度が速かった.
結 論:膝前方痛を伴う膝OA患者では,放射線学的病期にかかわらず膝蓋下脂肪体は硬くなっていた.超音波エラストグラフィによる膝蓋下脂肪体の弾性評価は,疼痛源となっている膝蓋下脂肪体の評価に有用である.
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