Japanese
English
経験と考察
成人腰椎疲労骨折の再考
Reconsidering adult-onset lumbar stress fractures
小林 良充
1
,
尾藤 晴彦
2
,
船越 雄誠
1
,
滝 正徳
3
,
鈴木 浩介
1
,
杉山 雅洋
4
Y. Kobayashi
1
,
H. Bito
2
,
Y. Funakoshi
1
,
M. Taki
3
,
K. Suzuki
1
,
M. Sugiyama
4
1聖隷浜松病院スポーツ整形外科
2浜松市リハビリテーション病院スポーツ医学センター
3聖隷浜松病院スポーツ・足の外科
4浜松市リハビリテーション病院放射線科
1Dept. of Sports Orthop. Surg., Seirei Hamamatsu General Hospital, Hamamatsu
キーワード:
lumbar stress fracture
,
adult
,
recurrence
,
refracture
,
additional fracture
Keyword:
lumbar stress fracture
,
adult
,
recurrence
,
refracture
,
additional fracture
pp.301-307
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei74_301
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は じ め に
腰椎疲労骨折は成長期に発生するスポーツ障害であるが,まれにプロフェッショナル(プロ)・セミプロとして活動する成人の競技者にみられることがある1~4).成長期に人一倍の運動量をこなしてきたプロ・セミプロ競技者は,学生時代に腰椎疲労骨折を起こしていてもおかしくない.なぜ成人になって発症したのかについて追求した報告はみられない.
また腰椎疲労骨折の発生高位が成長期ではL5に多いのに対し,成人例の約半数はL5以外の腰椎に生じているが,その理由は明らかではない2~4).
筆者らは,成長期腰椎疲労骨折の治療後に再び腰痛を訴えて来院する者のなかには再発例が多いことを報告した5).成長期腰椎疲労骨折の再発を,初回の骨折と同じ腰椎椎弓の同一部位に発生する再骨折(refracture)と,同じ腰椎椎弓の異なる部位に生じるか異なる腰椎に生じる二次性骨折(additional fracture)に分け,再発例の経過を追った.これらのなかには成人になって再発した者もいる.
本稿では,再発の視点から成人腰椎疲労骨折のこれらの疑問を検討するとともに,本骨折の治療とその予後について報告する.
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