Japanese
English
経験と考察
大腿骨近位部骨折手術後の歩行機能に及ぼすフレイルの影響
Effect of frailty on walking function after hip fracture surgery
秀村 碧斗
1
,
植木 正明
2
,
志鷹 拓弥
1
,
嶋本 遼
1
,
深澤 高広
3
A. Hidemura
1
,
M. Ueki
2
,
T. Shitaka
1
,
R. Shimamoto
1
,
T. Fukazawa
3
1西脇市立西脇病院リハビリテーション部
2西脇市立西脇病院麻酔科
3西脇市立西脇病院整形外科
1Dept. of Rehabilitation, Nishiwaki Municipal Hospital, Nishiwaki
キーワード:
hip fracture
,
frailty
,
postoperative
,
walking function
Keyword:
hip fracture
,
frailty
,
postoperative
,
walking function
pp.405-408
発行日 2025年5月1日
Published Date 2025/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei76_405
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は じ め に
大腿骨近位部骨折後に患者の約半数が自立して歩けなくなり,日常生活上の介護や支援を長期的に受けるようになると報告されている1).要介護状態に進展するのを防ぐには,大腿骨近位部骨折患者の術後の機能的予後に影響する要因を同定し,その中で修正の可能性がある要因を特定し,介入することで機能的予後を改善させることは重要である.
フレイルとは高齢期に生理的予備能が低下することでストレスに対する脆弱性が亢進し,生活機能障害,要介護状態などの転帰に陥りやすい状態2)といわれている.フレイルの特徴は健康な状態と日常生活で身体機能障害のある要支援・要介護状態との中間の状態にあること,しかるべき介入により,要介護状態から再びフレイル,健常な状態に戻る可能性があること,多面的な要因(身体的衰えに心理的・社会的要因なども影響)が関係することである3).フレイル合併患者は大腿骨近位部骨折や手術というストレスに対する脆弱性により,より運動・歩行機能が低下し,要支援・要介護状態に進展する可能性があると仮説を立てた.
そこで,本研究ではフレイルが大腿骨近位部骨折術後の退院時の歩行機能に影響を与えるか否かを検討した.

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