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Wnt/βカテニンシグナル
尾市 健
1,2
1帝京大学整形外科
2帝京大学先端総合研究機構
pp.1200-1200
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei76_1200
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Wnt蛋白質は約40kDaの分泌型糖蛋白質で,N末端に分泌用のシグナルペプチドをもち,現在までに19種類が報告されている.Wntが細胞膜上の受容体Frizzled(FZD)と共受容体[低比重リポ蛋白受容体関連蛋白(LRP)5/6,レチノイン酸受容体関連オーファン受容体(ROR),receptor like tyrosine kinase(RYK)]に結合すると,シグナル伝達が始まる.特にFZD-LRP5/6複合体はβ-カテニン依存性(カノニカル)経路を活性化し,骨や関節の形成や修復に重要な役割を担う.一方,FZD-RORやFZD-RYK複合体はβ-カテニン非依存性(ノンカノニカル)経路を活性化し,カノニカル経路を抑制する場合もある.
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