整形トピックス
SterEOSによる全身アライメントの評価
崔 賢民
1
,
稲葉 裕
1
1横浜市立大学整形外科
pp.1196-1196
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei76_1196
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整形外科患者の多くは,運動機能障害や疼痛を主訴とする.その背景には一般的な変性疾患から難治性疾患まで多様な病態が存在し,原因を正しく同定するためには全身的なアライメント評価がしばしば不可欠である.特に慢性疼痛を呈する変性疾患患者では,局所の病変のみならず全身の荷重バランスや代償機構を理解することが診断や治療方針決定に直結する重要な要因となることも少なくない.SterEOSは,従来のX線撮影の1/6~1/10の被曝線量で,立位・坐位における全脊柱~下肢の三次元再構築を可能とする画像診断装置である(図1).低被曝かつ再現性の高い画像が得られるため,小児や慢性疾患,術後の経時的な観察に適している.荷重下での解析が可能である点も特徴であり,実際の生活動作に即した全身評価を行える.また立位と坐位の評価を比較することで,動的な全身アライメントの変化を機能的に評価することも可能な画像診断機器である.
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