特集 Wnt協奏曲:新たな活性化機構と他の増殖・分化シグナルとの協調による形態形成
(第2部)Wntシグナルと幹細胞からの組織形態形成 Wntシグナルを利用した消化器組織再生技術"オルガノイド培養"の開発
佐藤 俊朗
1
1慶応義塾大学 医学部消化器内科
キーワード:
Epidermal Growth Factor
,
幹細胞
,
類器官
,
消化器系
,
組織培養技術
,
腫瘍過程
,
Stem Cell Factor
,
再生医学
,
Wntシグナルトランスダクション
,
Noggin Protein
,
R-Spondin
,
LGR5 Protein
Keyword:
Epidermal Growth Factor
,
Digestive System
,
Neoplastic Processes
,
Organoids
,
Stem Cells
,
Stem Cell Factor
,
Tissue Culture Techniques
,
Regenerative Medicine
,
Wnt Signaling Pathway
,
Noggin Protein
,
LGR5 Protein, Human
pp.421-424
発行日 2013年3月22日
Published Date 2013/3/22
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Lgr5陽性腸管上皮幹細胞( Lgr5+幹細胞)の幹細胞性維持には R-spondinによる Wnt シグナルの活性化が必須である.大部分の消化器組織はこの性質を有しており,筆者らは R-spondin, EGF, Nogginをベースとした新規培養法により胃,小腸,大腸,胆管上皮を体外で永続的に維持できることを見いだした.本培養法により Lgr5+幹細胞は三次元組織構造体(オルガノイド)を形成し,生体内と同様な幹細胞ヒエラルキーを再構築する.オルガノイド技術は上皮細胞の基礎研究のみならず再生医療,腫瘍学,創薬など様々な分野で応用可能な技術であり,本稿ではその確立から応用について概説したい.
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