骨カルシウム代謝調節最前線
Wntシグナルとsclerostin
前田 和洋
1
,
斎藤 充
,
丸毛 啓史
1東京慈恵会医科大学 整形外科
キーワード:
骨形成
,
骨細胞
,
骨組織リモデリング
,
Wntシグナルトランスダクション
,
LDL-Receptor Related Protein 6
,
LDL-Receptor Related Protein 5
,
Dickkopf-1 Protein
,
SOST Protein
Keyword:
Osteocytes
,
Osteogenesis
,
Bone Remodeling
,
Low Density Lipoprotein Receptor-Related Protein-6
,
Wnt Signaling Pathway
,
Low Density Lipoprotein Receptor-Related Protein-5
,
SOST Protein, Human
,
DKK1 Protein, Human
pp.247-253
発行日 2014年7月1日
Published Date 2014/7/1
DOI https://doi.org/10.19020/J02201.2014295635
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Wntは分子量約4万の分泌型の糖蛋白であり,個体発生,形態形成および発癌など生命現象のさまざまな局面に関与するサイトカインである.線虫から哺乳類まで種を超えて保存されており,ヒトでは19種類のホモログが同定されている.そのシグナル経路は,古典経路と非古典経路に大別される.Wnt古典経路は骨形成に対し促進的に働く.sclerostinは,骨細胞で産生されるWnt古典経路の阻害因子であり,骨形成を抑制する.近年,骨粗鬆症に対する抗sclerostin抗体の投与が臨床応用されつつある.本稿では,骨代謝におけるWntシグナルの役割を概説するとともに抗sclerostin抗体の現状について言及する.
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