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頚椎後縦靱帯骨化症術後患者における残存疼痛に関する研究
Residual neuropathic pain in postoperative patients with cervical ossification of posterior longitudinal ligament
宮城 正行
1
M. Miyagi
1
1北里大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., School of Medicine, Kitasato University, Tokyo
キーワード:
cervical ossification of posterior longitudinal ligament
,
residual neuropathic pain
,
prospective multi-institutional observational study
Keyword:
cervical ossification of posterior longitudinal ligament
,
residual neuropathic pain
,
prospective multi-institutional observational study
pp.969-972
発行日 2024年8月1日
Published Date 2024/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei75_969
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【要 旨】
目 的:頚椎後縦靱帯骨化症(OPLL)術後に残存した疼痛を調査し,その危険因子について多変量解析にて明らかにすることである.
対象および方法:頚椎OPLLレジストリに登録された479例中,胸腰椎手術,脳血管疾患など神経症状に影響を及ぼす併存症を有する患者を除外し,術後2年の経過観察が可能であった292例を対象とし,患者背景,画像所見,臨床所見,手術所見について調査した.臨床スコアは日本整形外科学会頚髄症評価質問票の上肢または体幹・下肢の痛みしびれのvisual analogue scale(VAS)を術後2年で評価し,術後のVASが40mm以上を残存と定義した.解析は痛みしびれの残存の有無による評価項目の2群間比較を行い,残存の危険因子について多重ロジスティック回帰分析にて調査した.
結 果:2群間比較の結果,上肢の残存群は術前日本整形外科学会頚髄症治療成績判定基準(JOAスコア)がスコア不良で罹病期間が長く,術式に固定手術が多く,下肢の残存群では高齢で,術前JOAスコアが不良であった.多変量解析では,長い罹病期間,術前JOAスコア不良が上肢残存に,高齢,術前JOAスコア不良が下肢残存に有意に影響を及ぼしていた.
結 論:本研究結果より,高齢,長い罹病期間,術前JOAスコア不良が頚椎OPLL術後に残存する疼痛の危険因子となりうる.
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