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成人脊柱変形手術における術前栄養介入試験の効果
The effect of preoperative nutritional intervention for adult spinal deformity patients
大江 慎
1
,
渡邊 潤
2
,
赤井 達哉
2
,
牧野 知美
2
,
伊藤 碧
2
,
大和 雄
3
,
長谷川 智彦
1
,
吉田 剛
3
,
坂野 友啓
4
,
有馬 秀幸
5
,
山田 智裕
3
,
井出 浩一郎
3
,
渡邉 悠
3
,
黒須 健太
3
,
松山 幸弘
3
S. Oe
1
,
J. Watanabe
2
,
T. Akai
2
,
T. Makino
2
,
M. Ito
2
,
Y. Yamato
3
,
T. Hasegawa
1
,
G. Yoshida
3
,
T. Banno
4
,
H. Arima
5
,
T. Yamada
3
,
K. Ide
3
,
Y. Watanabe
3
,
K. Kurosu
3
,
Y. Matsuyama
3
1浜松医科大学長寿運動器疾患教育研究講座
2浜松医科大学栄養部
3浜松医科大学整形外科
4浜松医科大学森町地域包括ケア講座
5浜松医科大学次世代創造医工情報教育センター
1Dept. of Geriatric Musculoskeletal Health, Hamamatsu University School of Medicine, Hamamatsu
キーワード:
nutritional intervention
,
adult spinal deformity surgery
,
prehabilitation
Keyword:
nutritional intervention
,
adult spinal deformity surgery
,
prehabilitation
pp.785-789
発行日 2024年6月1日
Published Date 2024/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei75_785
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【要 旨】
目 的:本研究の目的は成人脊柱変形手術における栄養不良患者を対象に前向きに栄養介入を行い,術後の内科的合併症を減少させることができるか否かを検証することである.
対象および方法:栄養不良はPrognostic Nutritional Index(PNI)50未満と定義した.2018年11月以降でPNIが50未満の症例の内介入研究に参加した群をI群,2014年1月~2018年10月に手術を受けたPNIが50未満の症例をNI群とした.また2018年11月以降で介入研究に参加しなかった症例をNI2群とした.I群とNI群(study 1),またサブ解析としてI群とNI2群(study 2)の内科的合併症の発生率を調査した.
結 果:I群は24例で平均介入期間は41日であった.NI群は69例,NI2群は61例が評価された.Study 1では,I群(PNI:46.9)の合併症の発生率は25%,NI群(PNI:46.3)では53.6%(p=0.015)と有意にI群で合併症の発生率は低かった.一方,study 2ではNI2群(PNI:51.9)の合併症発生率は31.1%(p=0.576)と有意差はなかった.
結 論:術前に栄養不良を合併した成人脊柱変形症例に対しての栄養介入は,術後の内科的合併症の発生率を減少させる可能性がある.
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