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特集 脊椎脊髄手術 術中・術後出血をいかに減らすか!
高難度手術における術中・術後出血低減のポイント—成人脊柱変形
Tips for Reducing Intraoperative and Postoperative Bleeding in Adult Spinal Deformity Surgery
長谷川 智彦
1
,
松山 幸弘
1
Tomohiko HASEGAWA
1
,
Yukihiro MATSUYAMA
1
1浜松医科大学整形外科長寿運動器疾患教育研究講座
1Department of Orthopedic Surgery and Division of Geriatric Musculoskeletal Health, Hamamatsu University School of Medicine
キーワード:
成人脊柱変形手術
,
adult spinal deformity surgery
,
出血量軽減
,
blood loss reduction
,
手術計画
,
surgical planning
Keyword:
成人脊柱変形手術
,
adult spinal deformity surgery
,
出血量軽減
,
blood loss reduction
,
手術計画
,
surgical planning
pp.649-653
発行日 2024年12月25日
Published Date 2024/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202381
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はじめに
脊柱変形手術,特に成人の脊柱変形矯正固定手術は,脊椎手術の中でも大量出血の危険性が高い手術である.Elgafyら3)の脊椎多椎間固定に関する90報告からの出血量調査によると,術中平均出血量は650ml〜2,839mlと報告されている.大量の出血は,患者にさまざまな影響をもたらし,同種血輸血を必要とする.同種血輸血は脊椎手術患者において敗血症,手術部深部感染,肺塞栓,再手術,入院期間延長と関連すると報告されており2),大量の出血をきたさぬように手術を行うことは,成人脊柱変形手術を成功に導く助けとなる.成人脊柱変形手術における同種血輸血リスク因子としては,65歳以上,米国麻酔科学会(ASA)分類3以上,心疾患の併存,出血障害,後方アプローチ,骨盤固定,椎体骨切り,長時間手術,自己血不使用,トラネキサム酸不使用5,10)などが報告されている.
本稿では,出血量を増大させる原因ごとに,われわれの施設で行っている対策,および文献的に報告されている対策について述べる.
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