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経験と考察
人工骨頭置換術のアプローチが短外旋筋群の術後筋力に与える影響
-――後外側アプローチと共同腱温存後方アプローチの比較・検討
Effect of bipolar hemiarthroplasty approach on postoperative muscle strength of short external rotators:a comparison of posterolateral approach and conjoint tendon preserving posterior approach
横山 勝也
1
,
鵜養 拓
2
,
小川 真
2
,
渡辺 雅彦
2
K. Yokoyama
1
,
T. Ukai
2
,
M. Ogawa
2
,
M. Watanabe
2
1東海大学医学部付属八王子病院整形外科
2東海大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Tokai University, Hachioji Hospital, Hachioji
キーワード:
conjoint tendon preserving posterior approach
,
posterolateral approach
,
bipolar hemiarthroplasty
Keyword:
conjoint tendon preserving posterior approach
,
posterolateral approach
,
bipolar hemiarthroplasty
pp.309-312
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei75_309
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は じ め に
近年,人工骨頭置換術(bipolar hemiarthroplasty:BHA)にはさまざまなアプローチが使用されており,中でも後外側(posterolateral:PL)アプローチは広く行われているが,合併症として脱臼が問題となる1).そのため,耐脱臼性向上を目的として,同じPLアプローチでも短外旋筋,共同腱を温存する(conjoint tendon preserving posterior:CPP)アプローチの有用性が報告されている2).しかしCPPアプローチによるBHA後の経過で短外旋筋,共同腱が温存されているのかは不明である.
CTでは股関節周囲の筋肉量を定量的に評価することが可能である.さらにCTは筋肉量の定量評価だけでなくHounsfield units(HU)を用いることで脂肪変性も評価可能である.HUは空気−1,000 HU,脂肪−100 HU,水0 HU,筋肉30~50 HU,骨400~1,000 HUとされている.筋肉の変性が進行するとHUは低下するため,筋肉変性評価に有用である3).
そこでPLアプローチおよびCPPアプローチによるBHA後の股関節周囲筋の筋力測定による直接的評価と,CTを用いた短外旋筋群断面積・変性の客観的評価を多角的に比較・検討した.
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