Japanese
English
臨床室
ウパダシチニブで治療した多剤無効関節リウマチの2例
Efficacy of upadacitinib in patients with difficult-to-treat rheumatoid arthritis:report of two cases
若林 弘樹
1
,
長谷川 正裕
1
,
中島 亜矢子
2
,
湏藤 啓広
1
H. Wakabayashi
1
,
M. Hasegawa
1
,
A. Nakajima
2
,
A. Sudo
1
1三重大学大学院整形外科
2三重大学大学院リウマチ膠原病内科
1Dept. of Orthop. Surg., Mie University Graduate School of Medicine, Tsu
キーワード:
RA
,
difficult-to-treat RA
,
upadacitinib
Keyword:
RA
,
difficult-to-treat RA
,
upadacitinib
pp.313-317
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei75_313
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生物学的製剤(Bio)の登場により関節リウマチ(RA)治療およびRA患者の予後は大きく向上し,近年の報告では糖尿病患者より予後がよく,一般人とほぼかわりないことが報告されている1).その一方でBio多剤無効による治療困難例は難渋する.Difficult-to-treat (D2T) RA症例として報告され,欧州リウマチ学会(EULAR)治療リコメンデーションに従って通常の抗リウマチ薬治療後,作用機序の異なる2剤以上のBioもしくはヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬を用いても治療目標は未達成であり,活動性および進行性の病態を示し,かつ臨床所見や症状に問題があるとリウマチ専門医か患者がとらえている症例である2).
本稿では,Bio多剤無効であったD2T RA患者でウパダシチニブ(Upa)に切り替えて治療効果が得られた2例について報告する.
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