Japanese
English
経験と考察
術前認知機能が大腿骨頚部骨折術後成績に与える影響
Effect of preoperative cognitive function on postoperative outcomes of femoral neck fracture
横山 勝也
1
,
鵜養 拓
2
,
渡辺 雅彦
2
K. Yokoyama
1
,
T. Ukai
2
,
M. Watanabe
2
1東海大学医学部附属大磯病院整形外科
2東海大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Tokai University, Oiso Hospital, Kanagawa
キーワード:
Mini-mental State Examination
,
femoral neck fracture
,
biopolar hemiarthroplasty
Keyword:
Mini-mental State Examination
,
femoral neck fracture
,
biopolar hemiarthroplasty
pp.13-16
発行日 2023年1月1日
Published Date 2023/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei74_13
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は じ め に
大腿骨近位部骨折は,高齢者に起こりやすく年々増加傾向であり,2040年には2倍に増加すると予測されている1,2).大腿骨近位部骨折の1年死亡率は約20~30%と報告されており重篤な骨粗鬆症性骨折の一つとみなされている3,4).また,大腿骨近位部骨折は歩行機能障害や日常生活動作(ADL)低下をきたすおそれがあるため,術前から危険因子を予測し歩行機能を再獲得することは重要である.
認知症は大腿骨近位部骨折術後の機能回復に影響を及ぼす危険因子の一つと認識されている5).入院時にすでに患者の認知機能が低下していることも多く,低下していない患者と比較して機能障害やせん妄といった合併症や入院期間延長といったさまざまな弊害を生じやすい6).
しかし,術前認知機能が術後成績にどのように関連しているかは明らかではない.そこで当院で加療した大腿骨近位部骨折のうち,大腿骨頚部骨折の患者に対して術前認知機能が術後成績に影響を及ぼすか否かを検討したので報告する.
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