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連載 卒後研修講座
腱板広範囲断裂と変形性肩関節症
-――病態と治療
Pathology and treatment for massive rotator cuff tears and osteoarthritis in shoulder
谷口 昇
1
N. Taniguchi
1
1鹿児島大学大学院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Graduate School of Medical and Dental Sciences, Kagoshima University, Kagoshima
キーワード:
massive rotator cuff tear
,
osteoarthritis of the shoulder
,
reverse shoulder arthroplasty
Keyword:
massive rotator cuff tear
,
osteoarthritis of the shoulder
,
reverse shoulder arthroplasty
pp.365-373
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei72_365
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は じ め に
腱板断裂は,代表的な肩関節変性疾患である.本邦で約1,900万人に存在するといわれ,40歳台以下では5.1%であるが,70歳台で45.8%,80歳台で50%と,加齢依存性の発生がみられる1).画像上腱板断裂がみられても,無症候性の断裂がその65.4%を占める事実は,断裂イコール治療の対象ではないことを示している.また,症候性の断裂においても,まずは理学療法の徹底を指示すべき症例がある一方で,いたずらに時間を浪費せずに即手術決定としたほうがよい症例もある.この辺のさじ加減が腱板断裂の診断と治療のむずかしさであるが,少なくとも手術適応,術式は単にMRIでみられる断裂の大きさで決まるわけではない.腱板断裂の治療方針について筆者の考えを述べてみたい.
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