Japanese
English
経験と考察
大腿骨近位部骨折患者の骨粗鬆症治療に対する医科・歯科連携
Collaboration between medical and dental fields for osteoporosis in hip fracture patient
井上 三四郎
1
,
中松 耕治
2
,
石井 広太郎
2
,
木附 智子
2
,
南部 孝樹
2
,
加久 美鈴
2
S. Inoue
1
,
K. Nakamatsu
2
,
K. Ishii
2
,
T. Kitsuki
2
,
K. Nambu
2
,
M. Kaku
2
1飯塚病院総合診療科
2飯塚病院歯科口腔外科
1Dept. of General Internal Medicine, Iizuka Hospital, Iizuka
キーワード:
anti-resorptive agent
,
collaboration between medical and dental field
,
osteonecrosis of the jaw
Keyword:
anti-resorptive agent
,
collaboration between medical and dental field
,
osteonecrosis of the jaw
pp.1011-1015
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei75_1011
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
は じ め に
ビスホスホネート(BP)やreceptor activator of nuclear factor-κB ligand(RANKL)阻害薬などの骨吸収抑制薬(antiresorptive agents:ARA)は整形外科領域で汎用されている薬剤である1~3).その重篤な合併症の一つに薬剤関連顎骨壊死(medication-related osteonecrosis of the jaw:MRONJ)があり,大きな問題となっている4~8).
筆者は前任地の地方急性期病院でARA投与予定患者39例を対象として,その歯科受診の実態調査を行った7).その結果,23例(59.0%)は抜歯適応と診断され,入院中に抜歯が完遂できたのは5例(12.8%)のみであった.しかしながら,本報告は筆者が個人的に行った予備調査であり,組織的な取り組みではなかった.
Hospitalist/orthopedic surgery co-management(HOCM)が近年脚光を浴びている9~11).HOCMとは,ホスピタリストと呼ばれる病棟担当医が全身管理を担い,整形外科医は運動器疾患の手術療法に集中するシステムである.当院でも,大腿骨近位部骨折(以下,本骨折)患者に対してHOCMを導入している10,11).その中には骨粗鬆症治療への介入も含まれており,必要に応じて医科・歯科連携を行っている.
本稿の目的は,HOCMの一環として行われた本骨折に対する医科・歯科連携の実際を調査し,その現状と問題点を明らかにすることである.
© Nankodo Co., Ltd., 2024