Japanese
English
特集 変形性関節症の診断と治療――保存的治療から再生医療まで
Ⅲ章.変形性肩関節症
4.Cuff tear arthropathyに対するリバース型人工肩関節置換術
Reverse shoulder arthroplasty for cuff tear arthropathy
海江田 英泰
1
,
上釜 浩平
1
,
前迫 真吾
1
,
谷口 昇
1
H. Kaieda
1
,
K. Uekama
1
,
S. Maesako
1
,
N. Taniguchi
1
1鹿児島大学大学院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Graduate School of Medical and Dental Sciences, Kagoshima University, Kagoshima
キーワード:
cuff tear arthropathy
,
reverse shoulder arthroplasty
,
rotator cuff repair
Keyword:
cuff tear arthropathy
,
reverse shoulder arthroplasty
,
rotator cuff repair
pp.561-568
発行日 2023年5月25日
Published Date 2023/5/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei74_561
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は じ め に
リバース型人工肩関節置換術(reverse shoulder arthroplasty:RSA)は1985年にフランス人のGrammontが関節窩側をボール型,上腕骨側をソケット型,頚体角を155°としたプロトタイプを作製したのが始まりである1).本邦での認可は2014年4月であり,当初の開発から約30年後の導入となった.RSAのコンセプトは,回転中心を内下方化することによって三角筋のレバーアームを増大させ,さらに三角筋の延伸により骨頭上方化に伴い短縮した三角筋の緊張を強め,屈曲・外転時に動員される三角筋が増大することで,腱板機能がなくとも三角筋に依存した挙上能力を獲得することにある.2020年度の日本人工関節学会レジストリにおいては3,237件の登録がみられ,本邦において急速に普及がすすんでいるが,必ずしも機能回復は十分でなく,外旋機能の獲得は一般に困難であるほか,海外では多くの合併症が報告されている.われわれは,残存腱板を用いた可及的な腱板修復術を加えることにより,さらなる機能回復をめざしている.本稿では当科で行っている術式について,合併症予防の工夫も含めて概説する.
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