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特集 整形外科画像診断・評価の進歩
Ⅲ.MRI
6.骨肉腫の術前化学療法評価における拡散強調画像の有用性
Usefulness of diffusion-weighted imaging in the assessment for response of neoadjuvant chemotherapy in osteosarcoma
西田 佳弘
1
,
小池 宏
2
,
生田 国大
2
,
酒井 智久
3
,
伊藤 鑑
4
,
今釜 史郎
4
Y. Nishida
1
,
H. Koike
2
,
K. Ikuta
2
,
T. Sakai
3
,
K. Ito
4
,
S. Imagama
4
1名古屋大学医学部附属病院リハビリテーション科
2名古屋大学附属病院整形外科
3名古屋大学医学部附属病院希少がんセンター
4名古屋大学医学部附属病院整形外科
1Dept. of Rehabilitation, Nagoya University Hospital, Nagoya
キーワード:
diffusion-weighted imaging
,
apparent diffusion coefficient
,
osteosarcoma
,
neoadjuvant chemotherapy
Keyword:
diffusion-weighted imaging
,
apparent diffusion coefficient
,
osteosarcoma
,
neoadjuvant chemotherapy
pp.601-604
発行日 2022年5月25日
Published Date 2022/5/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei73_601
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は じ め に
骨肉腫の標準治療では,病理診断後にまず術前補助化学療法を実施し,続いて広範切除手術,術後補助化学療法を実施する.化学療法の導入後,骨肉腫患者の生命予後は劇的に改善した.しかし,依然として化学療法への反応性が不良な患者は一定の割合で存在し,その生命予後は不良であることが多い.今後,分子標的治療薬をはじめとする新規治療法の登場で,従来の化学療法では効果不良である患者群に対して新たな治療を提供できる可能性がある.
施設によって術前化学療法の期間,レジメンは異なるが,数ヵ月以上費やして実施することが多い.その期間中に化学療法の効果がわるい患者に対しては漫然と同じレジメンを続けるのではなく,効果の期待できる薬剤への変更,あるいは手術の早期実施を考慮したい.術前化学療法の効果判定は,手術で切除した腫瘍標本に対する組織学的壊死率で評価する.この手術材料による評価を正確に反映する非侵襲的画像検査があれば,手術を実施する前に治療戦略を変更することが可能となる.本稿では骨肉腫に対する術前化学療法効果を評価するうえでのMRI検査の一つである拡散強調画像(diffusion-weighted image:DWI)とそこからT2コントラストの影響を除外したapparent diffusion coefficient map(ADC map:見かけの拡散係数マップ)の有用性について述べる.
© Nankodo Co., Ltd., 2022