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Ⅰ.はじめに
近年,カテーテルなどの治療器材や画像診断機器のめざましい進歩により,脳神経外科領域においても血管内治療が急速に普及しつつある.脳神経疾患に対する血管内治療は,直達手術に比較してより低侵襲的な治療法であることが大きな利点ではあるが,脳塞栓症という宿命とも言うべき合併症の危険性を常にはらんでいる.すなわち,この脳塞栓症をいかに回避するかが,血管内治療という新しい治療法の臨床成績をより向上させる重要なkeyとなっている.
従来の報告では,血管内治療に伴う塞栓症発生の有無は,主に神経症状の有無と術後CTにより評価されることが多かった8-10,16,18,25).ところが,数mmの小梗塞巣や術前から虚血性病変が多発しているような症例では,CTのみで新しい虚血病変を同定することは困難であった.さらに,磁気共鳴画像(MRI)を用いて評価しても,T1・T2強調画像といった従来の撮影法のみでは新旧の梗塞巣を鑑別することが不確実であったため,描出された梗塞巣が術操作に起因して発生したものかどうかを推測することも困難であった.
The most serious complication of neurovascular interventions is distal cerebral embolism. Diffusion-weighted MR imaging (DWI) appears to be the most sensitive technique for detecting early and small ischemic lesions. To evalu-atethe incidence and radiological features of embolic events associated with neuro-intervention, we applied DWI to screening for procedure-related ischemiclesions including silent embolisms. One hundred and thirty-seven patients who have received 154 neuro-interventional procedures were studied with DWI before and within 5 days after treat-ment.
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