Japanese
English
連載 最新原著レビュー
三次元CT/MRI fusion画像を用いた解剖学的病態分析に基づく腰椎椎間孔部狭窄症に対する新たな治療戦略
Microendoscopic decompression for lumbosacral foraminal stenosis:a novel surgical strategy based on anatomical considerations using three-dimensional image fusion with magnetic resonance imaging/computed tomography
村田 鎮優
1
,
山田 宏
1
S. Murata
1
,
H. Yamada
1
1和歌山県立医科大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Wakayama Medical University, Wakayama
キーワード:
lumbar foraminal stenosis
,
endoscopic surgery
,
minimally invasive spine surgery
Keyword:
lumbar foraminal stenosis
,
endoscopic surgery
,
minimally invasive spine surgery
pp.481-484
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei73_481
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
【要 旨】
目 的:CT-MRI fusion画像とわれわれが新規作成した腰椎椎間孔狭窄(LFS)の解剖学的分類を用いてLFSの最狭窄部位と頻度を明らかにすることで,過去における各種椎間孔狭窄症除圧術式の妥当性を再考するとともに,新たな治療戦略を提唱する.
対象および方法:2013年1月~2017年12月にLFSに対する初回手術を受けた78例を対象とし,CT-MRI image fusion softwareを用いて最狭窄部の位置と狭窄要素(骨または軟部組織)を調査するとともに,新規開発し実践した内視鏡下椎間孔拡大術の手術成績を後ろ向きに調査した.
結 果:LFSの主たる病変は椎弓根外縁近傍に集中(73例,94%)して存在し,内側椎間孔内(椎弓峡部近傍)に骨性狭窄は存在しなかった.対象78例の術後1年時の腰痛・下肢痛(VAS)は,術前と比較して有意に改善していた.また,VASの臨床的に有意な改善を示す術前後の最小変化量[MCID(腰痛VAS:22mm以上減少,下肢痛VAS:50mm以上減少)]の達成率は,腰痛MCID 22は53%(41例),下肢痛MCID 50は63%(49例)であった.
結 論:LFSの主たる病変は椎弓根外縁近傍に集中して存在すること,内側椎間孔内(椎弓峡部近傍)に骨性狭窄は存在しないことが明らかとなった.この結果から,LFSは脊柱管内から峡部に除圧をすすめる従来の術式は適切ではなく,逆に峡部は温存し,椎間孔外からの神経除圧をすすめていく脊椎内視鏡下手術(側方アプローチ手術)が理にかなっている.
© Nankodo Co., Ltd., 2022