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【要 旨】
目 的:拡張現実(augmented reality:AR)とスマートフォンを用いた人工股関節全置換術(THA)用のナビゲーションシステムを開発し,その精度を検証した.
対象および方法:本シリーズでは二つの仮説を立て,検証を前向きランダム化比較試験(RCT)で行った.1つ目の検証がメインであり,対象をARナビゲーションを使ってカップを設置した群(AR群)とアライメントガイドを使って設置した群(従来群)の2群に分けて,それぞれの設置角度のtarget angle(外方開角40°,前方開角15°あるいは20°)からの誤差を検証した.このRCTに参加した症例はAR群22例と従来群19例の合計41例であるが,実際は従来群もARナビゲーションを使用(ピンを立ててレジストレーション)し,アライメントガイドでカップを設置した後にこのARナビゲーションで角度のみを計測している.つまり,最終的には両群ともにARナビゲーションによる角度計測を行っているため,41例での計測精度を行っている.同様に両群で角度計を使ったマニュアルでの角度計測も行っており,それぞれの計測精度として検証したものが仮説2である.
結 果:X線計測でAR群が2.3±1.4°,従来群が3.9±2.4°(p=0.009),CT計測でAR群が1.9±1.3°,従来群が3.4±2.6°(p=0.02)と外方開角でのみ有意差が出たが,前方開角度での有意差はなかった(検証1).
結 論:外方開角で有意差があったものの,minimal clinically important difference(MCID)を満たしているとはいえないため,外方開角もno clinically important differenceとし,現状では推奨できないとした.
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