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カラーフォーラム
カーテンドレープを剥がれにくくする工夫
Useful tip on curtain drape
井上 三四郎
1
S. Inoue
1
1宮崎県立宮崎病院整形外科
1Dept of Orthop. Surg., Miyazaki Prefectural Miyazaki Hospital, Miyazaki
キーワード:
drape
,
hip fracture
,
osteosynthesis
Keyword:
drape
,
hip fracture
,
osteosynthesis
pp.46-47
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei73_46
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≪は じ め に≫
大腿骨近位部骨折に牽引台とCアームを使用する骨接合術は日常的に行われている手術である.当科では,3Mステリ・ドレープ垂直隔離ドレープ(3M社,Saint Paul)を使用している.われわれはこれをカーテンドレープと呼んでおり,本稿ではそのように呼称する.
『骨・関節術後感染予防ガイドライン』1)には,「ポビドンヨード非含有ドレープで手術部位感染(SSI)のリスクが減少するというエビデンスはない(grade Ⅰ)」,「ポビドンヨード含有ドレープではSSIのリスクが減少する可能性がある(grade C)」との記載があり,セッティングの容易さのほかに多少の感染予防効果も期待している.
カーテンドレープはセッティングが容易な反面,皮切部に開創器や筋鉤で緊張をかけたりCアームで側面像をみる際に下から持ち上げる操作を繰り返したりするうちに,皮膚からドレープが剥がれてしまうことがあった(図1).剥がれた部位にポビドンヨードを塗ったり生理食塩水洗浄を追加したりすると,その水分でさらにドレープが剥がれていくという悪循環に陥る2).ドレープの感染予防効果のエビデンスはさておき,使用するうえでその効果を期待するには,手術終了まで辺縁が皮膚から剥離しないことが条件となる3).特にカーテンドレープはドレープと皮膚の固着のみで清潔範囲を確保しているため,ドレープが剥がれると術野が一気に不潔になる恐れがある.
筆者は,三村ら3)が報告した脱脂圧着法(三村法)を知り,これを一部改変して使用している.本稿の目的は,その実際を報告することである.
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