私論
高齢者の整形外科治療はどこまで行う?
熊谷 研
1
1横浜市立大学整形外科准教授
pp.1340-1340
発行日 2022年12月1日
Published Date 2022/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei73_1340
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本稿を書いている2022年のお盆は新型コロナウイルス第7波の真っただ中であり,これまでにないレベルで急拡大した感染が収束に向かうにはまだ時間を要すると思われる.コロナ禍で3度目となる今夏は「ウィズコロナ」が模索され,人々は久しぶりに行動制限のない夏を過ごしている.一方で医療の逼迫は相変わらず社会的な問題となっている.重症化リスクが高い高齢者の感染者数増加も懸念される.このような状況下では一般診療の制限はいたし方がないところであるが,骨折などの緊急性の高い疾患を除き,生命に直接的な影響が少ないと考えられる整形外科疾患もその対象となる.世間では目下のコロナ感染により,ロコモティブシンドロームやフレイルといった健康寿命に対する意識が薄れていく感があるが,運動器の障害は結果的に生命予後にも影響を及ぼす.そこで本稿では高齢者と整形外科治療について考えてみたい.
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