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多血小板血漿は腰椎後側方固定術において骨癒合を促進させる
-――前向きランダム化比較試験
Platelet-rich plasma enhances bone union in posterolateral lumbar fusion:a prospective randomized controlled trial
久保田 剛
1
G. Kubota
1
1千葉県立佐原病院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Chiba Prefectural Sawara Hospital, Katori
キーワード:
platelet-rich plasma
,
posterolateral lumbar fusion
,
growth factor
,
RCT
,
bone union
Keyword:
platelet-rich plasma
,
posterolateral lumbar fusion
,
growth factor
,
RCT
,
bone union
pp.83-86
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei72_83
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【要 旨】
目 的:多血小板血漿(PRP)は動物を用いた脊椎固定術において骨癒合を促進させることは証明されているが,実臨床でのPRPの骨癒合への効果は定かではない.本研究の目的は,脊椎後側方固定術(PLF)におけるPRPの効果を前向きランダム化比較試験で評価することである.
対象および方法:PLF予定患者62例をPRPを投与する群31例,投与しない群31例に無作為に振り分け2年間追跡調査した.骨癒合率,骨癒合部位の体積,骨癒合までの期間,臨床評価を比較・検討した.
結 果:最終観察時の骨癒合率は対照群74%に比しPRP群94%で有意に高かった.骨癒合面積はPRP群において有意に高かった.骨癒合までの平均期間は対照群9.8ヵ月に比しPRP群7.8ヵ月で有意に短かった(p=0.013).PRP中の血小板濃度は血漿の7.7倍濃縮され,成長因子濃度は50倍以上であった(p<0.05).腰痛,下肢痛,下肢しびれにおいて両群間においてどの期間でも明らかな有意差がなかった.
結 論:PRPを投与した群は投与しない群に比べて骨癒合率が高く,骨形成量が多く,脊椎固定術後の骨癒合期間は短かった.
© Nankodo Co., Ltd., 2021