Japanese
English
運動器疾患に対する保存的治療――私はこうしている Ⅲ.保存的治療各論
病態に応じた多血小板血漿の使い分け
Optimization of platelet-rich plasma therapy
西尾 啓史
1
,
齋田 良知
1
,
小林 洋平
1
,
若山 貴則
1
,
福里 晋
1
,
内野 小百合
1
,
金子 和夫
1
H. Nishio
1
,
Y. Saita
1
,
Y. Kobayashi
1
,
T. Wakayama
1
,
S. Fukusato
1
,
S. Uchino
1
,
K. Kaneko
1
1順天堂大学整形外科・スポーツ診療科
1Dept. of Orthopaedics, Juntendo University School of Medicine, Tokyo
キーワード:
PRP
,
growth factor
,
cytokine
,
tissue repair
,
regenerative medicine
Keyword:
PRP
,
growth factor
,
cytokine
,
tissue repair
,
regenerative medicine
pp.47-52
発行日 2019年10月25日
Published Date 2019/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei76_47
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は じ め に
多血小板血漿(platelet-rich plasma:PRP)は,自己末梢血を遠心分離して得られる血小板を多く含む血漿分画の総称である.欧米ではさまざまな運動器疾患に対して頻用されており,本邦でもアスリートに対するPRP療法のメディア報道をきっかけに関心が高まっている.しかしながら,PRP療法のエビデンスは確立されているとはいいがたい.その背景に,PRP療法の適応や対象疾患の重症度,使用している「PRPの質」や注射方法などが異なっており,単純な比較ができないことがあげられる.そのため,われわれは「PRPの質」に注目し,病態に応じたPRPの使い分けを提唱してきた.本稿では,「PRPの質」とその使い分けについて,われわれの経験を含めた国内外の現状をふまえて詳述する.
© Nankodo Co., Ltd., 2019