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連載 最新原著レビュー
修復困難な腱板断裂に対する鏡視下肩上方関節包再建術の5年治療成績
Five-year follow-up of arthroscopic superior capsule reconstruction for irreparable rotator cuff tears
長谷川 彰彦
1
,
三幡 輝久
1
A. Hasegawa
1
,
T. Mihata
1
1大阪医科大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Osaka Medical College, Takatsuki
キーワード:
irreparable
,
reconstruction
,
rotator cuff
,
superior capsule
,
tear
Keyword:
irreparable
,
reconstruction
,
rotator cuff
,
superior capsule
,
tear
pp.87-90
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei72_87
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【要 旨】
目 的:鏡視下肩上方関節包再建術(ASCR)は,修復困難な腱板断裂に対する治療法として考案された.本研究の目的は,ASCRの5年治療成績を調査することである.
対象および方法:大腿筋膜グラフトを用いてASCRを行い,術後5年の経過観察を行うことができた30例を対象とした.肩関節自動可動域,American Shoulder and Elbow Society(ASES)score,日本整形外科学会肩関節疾患治療成績判定基準(JOA score),スポーツおよび肉体労働への復帰率,肩峰骨頭間距離,グラフトの治癒状態および厚さ,術前後の関節症性変化について調査した.
結 果:術後1年時および術後5年時において,ASES score,JOA score,肩関節自動可動域,肩峰骨頭間距離は術前よりも有意に増加した(p<0.001).術後5年のASES scoreは術後1年時よりも有意に改善した(p=0.03).術後5年時,12例中11例(92%)が肉体労働に復帰し,8例全例(100%)がスポーツ復帰していた.グラフトが治癒した27例においては関節症性変化の進行を認めなかったが,グラフトの断裂を認めた3例においては術後5年時に関節症性変化の進行を認めた.
結 論:ASCR術後にグラフトの治癒が得られた症例では術後5年の経過観察時においても肩関節機能の回復が維持されており,スポーツおよび肉体労働へ高率に復帰していた.
© Nankodo Co., Ltd., 2021