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三角線維軟骨複合体損傷による遠位橈尺関節ロッキング
Acute blocking of forearm supination secondary to tearing of the triangular fibrocartilage complex
鈴木 拓
1
,
中村 俊康
2
T. Suzuki
1
,
T. Nakamura
2
1慶應義塾大学整形外科
2国際医療福祉大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Keio University School of Medicine
キーワード:
distal radioulnar joint
,
locking
,
blocking
,
supination blocking
,
TFCC tear
Keyword:
distal radioulnar joint
,
locking
,
blocking
,
supination blocking
,
TFCC tear
pp.815-819
発行日 2021年6月1日
Published Date 2021/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei72_815
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【要 旨】
目 的:三角線維軟骨複合体(TFCC)損傷が原因の遠位橈尺関節(DRUJ)ロッキングの病態,治療,成績について調査する.
対象および方法:TFCC損傷が原因のDRUJロッキングに対して治療した24例を対象とした.本病態の受傷機転,画像所見,手術所見,治療成績について後ろ向きに調査した.
結 果:DRUJロッキングは比較的小さな外傷の後に発症した.自動および他動運動による回外可動域は制限され,回内可動域は正常であった.DRUJロッキングの正確な診断は術前には困難で,術中所見で確定した.断裂した背側橈尺靱帯(15例),掌側橈尺靱帯(8例),TFCのフラップ(1例)が尺骨頭の掌側への移動を制限していた.ロッキングの解除の手技は徒手整復が4例,鏡視下手術が8例,直視下手術が12例であった.平均回外可動域は術前11°から術後84°と改善し,成績は良好であった.
結 論:TFCC損傷が原因のDRUJロッキングは,まれではあるが前腕の回外制限の鑑別として考慮することが重要である.
© Nankodo Co., Ltd., 2021