Japanese
English
連載 革新的技術がもたらす小児運動器難病の新展開――基礎から臨床へ
側弯症の臨床
-――先天性側弯症
Congenital scoliosis
川上 紀明
1
N. Kawakami
1
1一宮西病院整形外科/脊椎・側彎センター
1Dept. of Orthop. Surg., Spine and Scoliosis Center, Ichinomiya Nishi Hospital, Ichinomiya
キーワード:
congenital scoliosis
,
formation failure
,
segmentation failure
,
mixed failure
,
coupling failure
,
growth friendly surgery
Keyword:
congenital scoliosis
,
formation failure
,
segmentation failure
,
mixed failure
,
coupling failure
,
growth friendly surgery
pp.791-797
発行日 2021年6月1日
Published Date 2021/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei72_791
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は じ め に
先天性側弯症は「先天的な椎骨の形態異常により生じる側弯症」と定義され,生下時から認められる側弯のうち椎骨奇形がない他の疾患に合併した側弯症とは明確に区別されている.先天性側弯症は出生数が減少した現在,その発生数としては減少傾向にあるといえる.しかし,医療の進歩により高度な変形を合併した小児が救命されることがまれではなくなり,その一方で幼小児期には軽度でみつからず年をとり変性疾患に合併して奇形椎が腰痛や下肢痛の発生原因となる症例もめずらしくなくなった.
先天性側弯症の治療で特に目新しいものは近年報告されていないが,その考え方,対応の仕方には過去の実績を積み上げた結果としての進歩がみられている.本稿では,現在における先天性側弯症の診断と治療方法決定上のポイントについて述べる.
© Nankodo Co., Ltd., 2021