連載 X線診断Q&A
X線診断Q&A
廣津 匡隆
1
1鹿児島大学整形外科講師
pp.799-800
発行日 2021年6月1日
Published Date 2021/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei72_799
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Question
症 例.20歳,男.
主 訴:右膝関節痛.
既往歴:特記すべきことはない.
家族歴:特記すべきことはない.
現病歴:約1ヵ月前に,飼育中の家畜が右膝に外側から衝突し,同部に痛みが生じた.近医を受診し,関節腫脹と膝蓋骨内側に疼痛を認めたため関節穿刺で血性関節液25mlを吸引した.保存的治療で経過観察を行うも疼痛が持続し,徐々にロッキング症状が出現するようになり当科を紹介され受診となった.
身体所見:当科受診時,膝蓋骨内側に軽度圧痛はあるものの,明らかな腫脹・熱感はなかった.疼痛の場所は移動するとのことであり,ロッキング症状が出現すると疼痛が増強するようであった.右膝の外反不安定性はなく,Lachman testも陰性であり,右膝関節の可動域制限を認めなかった.
X線所見:図1に他院初診時の右膝関節単純X線像を示す.
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