Japanese
English
論述
先天性側弯症における非手術例の検討―脊柱バランス,半椎の自然経過,変形進行の危険因子について
A Study of Non-operative Treatment of Congenital Scoliosis : Spinal Balance, Natural History of Hemivertebra, and Risk Factors for Curve Progression
舟崎 裕記
1
,
司馬 立
1
,
林 克章
1
,
曽雌 茂
1
,
伊室 貴
1
,
室田 景久
1
Hiroki Funasaki
1
1東京慈恵会医科大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Jikei Univertsity School of Medicine
キーワード:
先天性側弯症
,
congenital scoliosis
,
保存療法
,
conservative treatment
,
自然経過
,
natural history
Keyword:
先天性側弯症
,
congenital scoliosis
,
保存療法
,
conservative treatment
,
自然経過
,
natural history
pp.1361-1368
発行日 1995年12月25日
Published Date 1995/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901784
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抄録:先天性側弯症の非手術例について,脊柱バランス,奇形椎の自然経過,さらに変形進行の危険因子などについて検討した.その結果,本症では,decompensationや両肩の高さの不均衡などの前額面バランスのみならず,矢状面変形の異常をきたす症例も多く認められた.奇形椎別にみた変形の進行様相は諸家の報告とほぼ同様の結果が得られたが,単独のhemivertebraをもつものでは,初診時骨年齢とCobb角,さらに外側化などに進行との関係が認められた.また,hemivertebraの分離状態が経年的に癒合していく症例も多く認められた.腰椎部発生のhemivertebraは骨成熟後に変形が50°以内に止まっても凹側の骨棘形成を呈し,腰痛を訴える症例も認められた.本症の手術療法の適応に関しては,側弯の進行に関するいくつかの危険因子のみならず,脊柱バランスの不均衡や臨床症状の発現に対する考慮が必要で,特にhemivertebraに対して注意を払う必要があるものと考えられた.
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