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特集 ロコモティブシンドロームの現況
Ⅳ.住民コホートによる評価
7.TOEIスタディ
-――ロコモの縦断研究と介入研究
TOEI study:longitudinal and interventional study of locomotive syndrome
井出 浩一郎
1
,
大和 雄
2
K. Ide
1
,
Y. Yamato
2
1浜松医科大学整形外科
2浜松医科大学長寿運動器疾患教育研究講座
1Dept. of Orthop. Surg., Hamamatsu University School of Medicine, Hamamatsu
キーワード:
epidemiology
,
locomotive syndrome
,
vertebral fractures
Keyword:
epidemiology
,
locomotive syndrome
,
vertebral fractures
pp.637-641
発行日 2021年5月20日
Published Date 2021/5/20
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei72_637
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はじめに:TOEIスタディの紹介
当大学整形外科では,2012年より中山間地域に位置する自治体である愛知県北設楽郡東栄町の東栄医療センターおよび東栄町役場と協力して,健康診断に運動器検診を加えた前向きコホート研究であるTOEIスタディを開始し,隔年の2014年,2016年,2018年,2020年に検診を実施している.東栄町は愛知県の北東部,東三河に位置する人口約3,000人の町で,65歳以上の高齢者人口が約50%という高齢化率の非常に高い地域である.運動器検診には毎年人口の約20%(600名前後)が参加している.この運動器検診では50歳以上の住民を対象にロコモティブシンドローム(ロコモ)のチェックはもちろんのこと,X線学的評価や骨密度測定,運動機能評価,自己記入式アンケートで生活の質(QOL)や疼痛,転倒歴などを評価し,これらの結果を解析して検診受診者へ還元している.2018年からは生体電気インピーダンス(BIA)法を用いた筋量評価に加え,フレイルやサルコペニア検診や歩行機能評価も開始している.また,公的機関と協力することで介護サービスの認定状況などを把握しているという特徴がある.
本稿ではTOEIスタディで得られたロコモの知見についていくつか紹介する.
© Nankodo Co., Ltd., 2021