Japanese
English
経験と考察
びまん性特発性骨増殖症に伴う脊椎損傷に対する保存的治療の適応と限界
Conservative treatment of vertebral fracture with diffuse idiopathic skeletal hyperostosis
米澤 嘉朗
1
,
篠崎 義雄
1
,
北川 剛裕
1
,
武田 和樹
1
,
小倉 洋二
1
,
安田 明正
1
,
小川 潤
1
Y. Yonezawa
1
,
Y. Shinozaki
1
,
T. Kitagawa
1
,
K. Takeda
1
,
Y. Ogura
1
,
A. Yasuda
1
,
J. Ogawa
1
1静岡赤十字病院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Japanese Red Cross Shizuoka Hospital, Shizuoka
キーワード:
DISH
,
compression fracture
,
3-column injury
Keyword:
DISH
,
compression fracture
,
3-column injury
pp.207-211
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei72_207
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は じ め に
びまん性特発性骨増殖症(DISH)は,脊椎が癒合していることにより,軽微な外傷で脊椎損傷を起こす症例が多い.さらに初診時の単純X線像で診断が困難な症例も多く,入院加療を行ったにもかかわらず経過中に骨折が転位し,遅発性麻痺を生じた症例も報告されている1,2).またDISHに伴う脊椎損傷では3-column injuryを伴いやすく,骨折転位および遅発性麻痺の発生の予防のために可及的早期の手術的治療が推奨されている.しかし特に高齢者では,全身状態や合併症によっては保存的治療を余儀なくされる症例も存在する.DISHに伴う脊椎損傷に対しての保存的治療の報告は少なく,その適応および限界についてはいまだ一定の見解が得られていない.
本稿では,当院で保存的治療を行ったDISHに伴う脊椎損傷例の治療経過をもとに,その適応と限界,保存的治療の注意点を検討した.
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