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人工股関節全置換術後のjoint perceptionに対する影響因子の検討
-――日本人におけるコホート研究
Influencing factors for joint perception after total hip arthroplasty:Asian Cohort Study
塩本 喬平
1
K. Shiomoto
1
1九州大学大学院人工関節・生体材料学講座
1Dept. of Artificial Joints and Biomaterials, Graduate School of Medical Sciences, Kyushu University, Fukuoka
キーワード:
joint perception
,
patient-reported outcome measures
,
THA
Keyword:
joint perception
,
patient-reported outcome measures
,
THA
pp.1209-1213
発行日 2021年10月1日
Published Date 2021/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei72_1209
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【要 旨】
目 的:人工股関節全置換術(THA)後に患者が本物の関節のように感じることが理想的である.そこでわれわれはTHA後の関節の感じ方(joint perception)について調査した.
対象および方法:2012~2016年にTHAを施行した318例のjoint perception,Oxford Hip Score(OHS),Short Form-12 Health Survey(SF-12)[PCS,MCS,RCS],満足度および脚長差,オフセットを評価した.Joint perceptionの違いで本物のように感じる群と人工関節と感じる群の2群に分け比較し,またjoint perceptionに影響する因子について検討した.
結 果:165例(52%)が本物の関節のように感じていた.本物のように感じる群でOHS,SF-12のPCSとRCSが有意に高く,MCSに有意差はなかった.本物の関節のように感じるには疼痛および車の乗り降り動作の改善,対側が変形性股関節症を有していることが関係していた.
結 論:THA後痛みの軽減や車の乗り降り動作の改善がjoint perceptionのさらなる向上につながる可能性が示唆された.
© Nankodo Co., Ltd., 2021