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距骨骨軟骨傷害に対する内固定術の治療成績は病変の大きさや受傷からの経過時間にかかわらず良好である
Fixation of the osteochondral talar fragment yields good results regardless of lesion size or chronicity
原口 直樹
1
N. Haraguchi
1
1聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., St. Marianna University Yokohama Seibu Hospital, Yokohama
キーワード:
ankle
,
osteochondral talar lesion
,
fixation of osteochondral fragment
Keyword:
ankle
,
osteochondral talar lesion
,
fixation of osteochondral fragment
pp.1214-1217
発行日 2021年10月1日
Published Date 2021/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei72_1214
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【要 旨】
目 的:距骨骨軟骨傷害の手術的治療方法の選択には多くの議論がある.われわれは病変部の軟骨の変性が軽度であれば,病変の大きさや受傷からの経過時間にかかわらず内固定術を施行してきた.その治療成績を報告する.
対象および方法:対象は44例,45足関節で全例骨釘を用いて固定した.病変部の大きさは関節造影CTで計測した.治療成績は日本足の外科学会足関節・後足部判定基準(JSSFスコア)で評価し,80点未満のものを臨床的失敗とした.経過観察期間中央値は2.1(1~9)年であった.
結 果:平均JSSFスコアは術前63.5点から術後93.0点へ有意に改善した(p<0.001).80点未満は1例(0.02%)のみであった.病変部の面積は平均51.2(5~147)mm2であった.病変部の面積と術後JSSFスコアの間に相関はほとんどなく(r=−0.133).また受傷から手術までの時間とスコアの相関もほとんどなかった(r=0.042).術後X線評価はgoodが28関節,fairが10関節,poorが7関節であった.
結 論:距骨骨軟骨傷害に対する骨軟骨片の内固定術は,骨軟骨片の大きさや受傷からの経過時間にかかわらず,有効な手術方法である.
© Nankodo Co., Ltd., 2021