Japanese
English
人工関節における進歩 Ⅷ.合併症対策
4.術後疼痛管理
人工股関節全置換術後鎮痛に対する取り組み
Pain relief after total hip arthroplasty
鉄永 智紀
1
,
山田 和希
2
,
廣瀬 一樹
3
,
小浦 卓
3
,
井上 智博
3
,
尾﨑 敏文
4
T. Tetsunaga
1
,
K. Yamada
2
,
K. Hirose
3
,
T. Koura
3
,
T. Inoue
3
,
T. Ozaki
4
1岡山大学学術研究院医歯薬学域運動器知能化システム開発講座
2岡山大学学術研究院医歯薬学域医療材料開発講座
3岡山大学大学院整形外科
4岡山大学学術研究院医歯薬学域整形外科
1Dept. of Intelligent Orthop. System Development, Faculty of Medicine, Dentistry and Pharmaceutical Sciences, Okayama University, Okayama
キーワード:
THA
,
local infiltration analgesia
,
peripheral nerve blockade
,
epidural anesthesia
Keyword:
THA
,
local infiltration analgesia
,
peripheral nerve blockade
,
epidural anesthesia
pp.214-217
発行日 2023年4月25日
Published Date 2023/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei83_214
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は じ め に
人工股関節全置換術(total hip arthroplasty:THA)は股関節慢性疾患に対するもっとも効果的な治療法の一つと考えられている1).THA後に患者は強い疼痛を経験することがあり,適切な鎮痛処置を受ける必要がある.疼痛によるベッド上安静や長期入院は,術後感染や深部静脈血栓症(deep venous thrombosis:DVT)を助長する可能性がある2).疼痛と身体機能は相互に関連しているため,THA後の疼痛管理は,術後の生活の質(quality of life:QOL)を早期に改善し,術後の迅速な回復に不可欠である3).しかし,THA後鎮痛処置は患者にとって不十分であることが多く4),術後リハビリテーションで疼痛を伴えば,身体機能が制限されてしまう可能性がある5).
THAの術後鎮痛処置には,強オピオイド静脈注射による経静脈自己調節鎮痛法(intravenous patient controlled analgesia:iv-PCA),硬膜外鎮痛法,腰神経叢・坐骨神経ブロックなど,さまざまな方法がある.本稿では一般的に使われているTHA周術期の術後鎮痛法の利点・欠点などを紹介する.
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