連載 What’s new by subspecialty
What’s New in Pediatric Orthopaedics
-――小児整形外科の最新知識
坂田 亮介
1
,
薩摩 眞一
1
1兵庫県立こども病院整形外科
キーワード:
pediatric orthopaedics
,
congenital deformities
,
skeletal dysplasia
Keyword:
pediatric orthopaedics
,
congenital deformities
,
skeletal dysplasia
pp.836-840
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei75_836
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は じ め に
小児整形外科は,先天性疾患から外傷,四肢の障害,そして腫瘍にいたるまで全身にわたって診療を行う必要がある分野である.これまで積み上げられてきた治療経験,そして小児整形外科においては治療以上に重要ともいえる予防・啓蒙活動の結果,先天性疾患の治療成績は格段に向上している.さらに少子化や医療訴訟の増加などの社会情勢の変化により,一般整形外科医が小児整形外科診療を行う機会は減少し,小児専門施設への集約がすすんでいる.そのような中で日本における小児整形外科領域のもっとも大きなシステム的な変化は認定医制度の導入であろう1).小児整形外科の垣根を高くするのではなく,広く小児整形外科の知識を習得する機会・きっかけを提供するとともに,スムーズな紹介システムを構築することを目標としており,今後の発展に期待しているところである.
治療や診断においても,新しい治療法の開発や従来法のブラッシュアップが精力的に行われており,さらに他分野で開発された新たな治療法やテクノロジーを小児整形外科診療に応用する試みもみられる.本稿では最近の小児整形外科の進歩について文献を交えて紹介する(図1).
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