早期自動運動療法のための簡易かつ強固な新しい屈筋腱縫合法の開発

Development of easy and strong new flexor tendon suture technique for early active mobilization

は じ め に

　手指屈筋腱一次修復術後に早期自動運動療法（early active mobilization：EAM）を実施するには4-strand以上の主縫合が必要とされ^1），そのためにSavage法^2），トリプルループ法^3），Lim and Tsai法^4），M-Tang法^5），吉津1法^6），8-strand cross-locked cruciate法^7）など，さまざまな多数糸縫合が考案されてきた．

　このような多数糸による主縫合は横要素，縦要素，そしてそれらをつなぐリンク要素から構成され（図1）^8），その縫合強度は横要素を含むものよりも，縦要素のみの縫合が高いと報告されている^9）．本稿では，EAMを実施するに際して簡易かつ強固，そして縦要素のみで構成される8-strand縫合の吉津クロスロック（YCL）法を考案したので報告する．