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特集 整形外科臨床研究の手引き――適切に行い,正しく読み解くために
Ⅶ.最新研究紹介
2.iPS細胞を用いた創薬研究
Drug discovery using disease specific iPS cells
川井 俊介
1
,
池谷 真
2
,
戸口田 淳也
1
S. Kawai
1
,
M. Ikeya
2
,
J. Toguchida
1
1京都大学iPS細胞研究所増殖分化機構研究部門
2京都大学iPS細胞研究所臨床応用研究部門
1Center for iPS Cell Research and Application, Kyoto University, Kyoto
キーワード:
disease specific iPS cell
,
drug discovery
,
fibrodysplasia ossificans progressiva
Keyword:
disease specific iPS cell
,
drug discovery
,
fibrodysplasia ossificans progressiva
pp.720-724
発行日 2020年5月30日
Published Date 2020/5/30
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei71_720
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は じ め に
医療の発展は近年著しいものがあるが,遺伝性あるいは新生の経配偶子性変異を原因とする先天性疾患の中には,難治性であり有効な治療法が存在していないものも多い.希少な疾患であるがゆえに,体系的な研究がすすまず,病態の解明・創薬につながる結果を得るのがむずかしいことが原因である.
整形外科で扱う骨格を構成する組織(骨・軟骨・腱・靱帯および線維性組織など)の異常を引き起こす先天性疾患の中には生命予後を脅かす重篤な疾患も存在し1),有効な治療法の開発が望まれる.
現在,このような希少疾患に対して,難病患者から樹立したiPS細胞を用いて,in vitroで病態を再現し治療薬開発へとつなげる研究が,骨格系の疾患に限らず多くの領域においてすすめられている2,3).
© Nankodo Co., Ltd., 2020