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特集 新組織学シリーズⅣ:骨・軟骨
Ⅲ.骨・軟骨疾患のメカニズム
iPS細胞を用いた骨軟骨分化研究
Investigation of bone and cartilage differentiation utilizing iPS cells
戸口田 淳也
1,2
,
川井 俊介
1
,
鎌倉 武史
2
,
金 永輝
2
Toguchida Junya
1,2
,
Kawai Shunsuke
1
,
Kamakura Takeshi
2
,
Jin Yunghui
2
1京都大学iPS細胞研究所
2京都大学医生物学研究所
キーワード:
iPS細胞
,
膜性骨化
,
内軟骨性骨化
,
骨様結節形成
,
成長軟骨板
Keyword:
iPS細胞
,
膜性骨化
,
内軟骨性骨化
,
骨様結節形成
,
成長軟骨板
pp.579-584
発行日 2023年12月15日
Published Date 2023/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201795
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iPS細胞とは,DNAメチル化などによって制御された分化細胞における遺伝子発現制御機構を複数の転写因子を強制発現させることで解除して,胚性幹細胞と同等の状態とすることによって作製された人工多能性幹細胞である。2007年にヒトiPS細胞の樹立が報告されてから16年が経過し,その間に様々な生命科学の領域でiPS細胞を活用した基礎研究や応用研究が進められており,骨軟骨領域においてもiPS細胞由来軟骨細胞を用いた再生治療の臨床研究が実施されている1)。筆者らはiPS細胞のもう1つの臨床応用である創薬への応用に関して,難治性の遺伝性骨軟骨疾患を対象として研究を展開し,進行性骨化性線維異形成症(fibrodysplasia ossificans progressiva;FOP)において病態解明から治療薬候補を同定して2,3),医師主導治験の実施に至った4)。これらの研究では骨軟骨細胞の分化過程をin vitroで再現し,疾患由来細胞の分化能を評価することを試みたが,その過程において,増殖能と分化能を携えたiPS細胞を用いることで,初めて観察することができた興味深い結果を得た。本稿では,膜性骨化と内軟骨性骨化という2つの骨化過程に関連する成果を紹介する。
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