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腰椎変性すべり症に対する除圧術,固定術,制動術の成績の比較
-――前向きランダム化研究
Comparison of decompression, decompression plus fusion, and decompression plus stabilization for degenerative spondylolisthesis;a prospective, randomized study
猪瀬 弘之
1
,
加藤 剛
1
,
大川 淳
1
H. Inose
1
,
T. Kato
1
,
A. Okawa
1
1東京医科歯科大学整形外科
1Dept. of Orthopaedic and Spinal Surgery, Graduate School of Medical and Dental Sciences, Tokyo Medical and Dental University, Tokyo
キーワード:
lumbar canal stenosis
,
degenerative spondylolisthesis
,
RCT
Keyword:
lumbar canal stenosis
,
degenerative spondylolisthesis
,
RCT
pp.481-484
発行日 2020年5月1日
Published Date 2020/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei71_481
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【要 旨】
背 景:腰椎変性すべり症に対する手術として除圧術,固定術,制動術が存在する.しかしながら,いずれの術式を選択すればよいかは,いまだ議論がある.
対象および方法:L4変性すべり症によるL4/5レベルの一椎間の腰部脊柱管狭窄症と診断された症例を前向きにランダムに除圧術,固定術,制動術に割り振り,その成績について比較・検討した.
結 果:85例がランダムに除圧術,固定術,制動術に割り付けされ,5年時点での経過観察率は86.4%であった.固定および制動群において除圧群と比較して出血量が多く,手術時間が長かった.固定群は除圧群と比較して入院期間が長かった.臨床成績は全群で術後に改善し,5年後まで改善は維持されていた.その一方で,術後1年,5年時において各群間での差はなかった.
結 論:すべり度の低い症例に対するインストゥルメンテーションの追加は,除圧のみの群と比較して有意な成績の改善はなかった.
© Nankodo Co., Ltd., 2020