Japanese
English
論述
腰椎変性すべり症における腰痛の治療成績―後方除圧術単独例
Postoperative Lumbago of Patients who Underwent Posterior Decompression Alone for Degenerative Spondylolisthesis
西村 行政
1
,
常岡 武久
1
,
大久保 喬志
1
,
稲田 善久
1
,
小関 弘展
1
Yukimasa Nishimura
1
1長崎県立島原温泉病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Nagasaki Prefectural Shimabara Onsen Hospital
キーワード:
degenerative spondylolisthesis
,
腰椎変性すべり症
,
posterior decompression
,
後方除圧術
,
lumbago
,
腰痛
Keyword:
degenerative spondylolisthesis
,
腰椎変性すべり症
,
posterior decompression
,
後方除圧術
,
lumbago
,
腰痛
pp.21-26
発行日 1999年1月25日
Published Date 1999/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902610
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抄録:腰椎変性すべり症による脊柱管狭窄症に対して後方除圧術のみを行った場合の腰痛の治療成績がいかなるものであるかを明らかにするために,JOA scoreを用いて検討した.対象は32例で,手術時平均年齢66歳,術後経過期間は平均5年9カ月であった.これらについて術前と調査時の腰痛scoreを調べ,すべり進行の有無や不安定性の有無と腰痛の改善との関係を検討した.その結果,腰痛の改善は後方除圧術単独でも良好であり,術前平均1.78点が調査時には平均2.5点となった.さらに,すべり進行の有無や不安定性の有無との関連も認められず,本症における腰痛の多くは,後方除圧操作により改善される因子に由来している可能性が示唆された.これらのことから,腰椎変性すべり症による脊柱管狭窄症では腰痛の改善や予防という点からも固定術の適応は限られるものと思われた.
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