Japanese
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シンポジウム 腰椎変性疾患に対するspinal instrumentation―適応と問題点―
腰椎変性すべり症に対する固定術の是非―非固定術の立場から
Treatment for Degenerative Spondylolisthesis : The Results of Semicircumferential Decompression, Surgical Therapy without Fusion
馬場 逸志
1
,
村上 健
1
Itsushi Baba
1
,
Takeshi Murakami
1
1広島市立安佐市民病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Hiroshima City Asa Hospital
キーワード:
degenerative spondylolisthesis
,
腰椎変性すべり症
,
surgical treatment
,
手術的治療
,
operative microscope
,
手術用顕微鏡
Keyword:
degenerative spondylolisthesis
,
腰椎変性すべり症
,
surgical treatment
,
手術的治療
,
operative microscope
,
手術用顕微鏡
pp.1303-1309
発行日 1997年11月25日
Published Date 1997/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902304
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抄録:腰椎変性すべり症手術は椎体のすべりのため不安定性であるとして,除圧術とともに固定術が行われることが多い.われわれは本疾患の病態はすべり部で黄色靱帯や椎間関節が後方から神経組織を圧迫して馬尾,神経根症状を生じてくるとして,固定術よりも安定性を維持しながら除圧術に工夫してきた.このような椎間関節を可及的に温存した除圧術を行った患者59例の術後成績を検討した結果,42例(71.2%)の患者で50%以上の改善率を得た.また,術後すべりの進行を12例(20.3%)に認めたが臨床症状の悪化とは相関しなかった.
以上の術後成績から,本疾患は除圧術を工夫すれば固定術なしでも対応できるものであり,大多数に固定する必要はなく,限定した適応のもとに固定は行われるべきであると考えている.
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