仙腸関節障害と腰椎疾患における寝返り時間と坐位時間の比較

Comparison of rolling over time and sitting duration time between patients with sacroiliac joint disorder and with lumbar disorders

は じ め に

　仙腸関節障害（sacroiliac joint disorder：SIJD）は，腰椎椎間板ヘルニア（lumbar disc herniation：LDH）や腰部脊柱管狭窄症（lumbar spinal canal stenosis：LSS）に代表される腰椎疾患と比較すると，椅子坐位時や寝返り時に疼痛が増悪することが多いのが特徴的である^1,2）．疼痛の評価には一般的にvisual analogue scale（VAS）やnumerical rating scale（NRS）が用いられるが，これらの主観的な疼痛評価に加え，SIJDで特に障害されやすい姿位，動作の客観的評価が求められる．本研究では，寝返り時間，椅子坐位可能時間をSIJDと腰椎疾患（LDHとLSS）で比較し，これらがSIJDと腰椎疾患の鑑別に役立つ，SIJDに特有の客観的評価項目になりうるかを検討した．