Japanese
English
経験と考察
腰椎疾患の術前・術後における仙腸関節障害合併例の頻度と対策
Occurrence rate of sacroiliac joint disorder before and after lumbar surgeries and treatment strategies
黒澤 大輔
1
,
村上 栄一
1
D. Kurosawa
1
,
E. Murakami
1
1JCHO仙台病院腰痛・仙腸関節センター
1Low Back Pain and Sacroiliac Joint Center, JCHO Sendai Hospital, Sendai
キーワード:
sacroiliac joint
,
pain
,
lumbar disorder
,
surgery
Keyword:
sacroiliac joint
,
pain
,
lumbar disorder
,
surgery
pp.313-317
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei72_313
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は じ め に
仙腸関節障害(sacroiliac joint disorder:SIJD)は腰殿部・下肢痛の原因となるため,特に手術適応になることが多い腰椎椎間板ヘルニア(lumbar disc herniation:LDH)や腰部脊柱管狭窄症(LSS)との鑑別が重要である.SIJDと腰椎疾患は合併することがあり,Bernardら1)によると,その頻度は39%であった.また,SIJDは腰椎固定術後2)や除圧術後3)にも生じることが知られており,唐司ら4)は術前にpelvic incidence(PI)が大きいことが術後SIJD発症のリスク因子であると報告している.
仙腸関節スコアはSIJDに特徴的な臨床症候を得点化したもので,手術適応となる腰椎疾患との鑑別に特に有用であり,スコア4点以上で感度90.3%,特異度86.4%である5).腰椎疾患の術前に仙腸関節スコアが高値であれば,腰椎疾患とSIJDの合併を疑い,腰椎術後に高値を示した場合,新たに生じたSIJDを疑うことができる.本研究では,腰椎疾患の手術前後の仙腸関節スコアが高値で,SIJDの合併が疑われた頻度とその対策を検討した.
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