Japanese
English
経験と考察
大腿骨近位部骨折早期手術のための抗血小板薬・抗凝固薬の管理
Protocol for preoperative management of patients taking anticoagulation and antiplatelet therapy for early hip surgery
植木 正明
1
,
深澤 高広
2
,
和田 健佑
2
,
伊藤 淳
2
,
佐藤 啓三
2
M. Ueki
1
,
T. Fukazawa
2
,
K. Wada
2
,
J. Ito
2
,
K. Sato
2
1西脇市立西脇病院麻酔科
2西脇市立西脇病院整形外科
1Dept. of Anesthesiology, Nishiwaki Municipal Hospital, Nishiwaki
キーワード:
hip
,
fracture
,
early surgery
,
antiplatelet and anticoagulation therapy
Keyword:
hip
,
fracture
,
early surgery
,
antiplatelet and anticoagulation therapy
pp.1159-1163
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei71_1159
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は じ め に
大腿骨近位部骨折患者の入院後の手術遅延は術後合併症や死亡率に影響を及ぼす1)ので,欧米では早期手術が推奨されている.しかし現在の日本の医療体制では早期手術が困難なことが多いとされている2).大腿骨近位部骨折の早期手術が困難な理由の一つに,患者が服用する抗血小板薬・抗凝固薬の問題がある.従来,抗血小板薬・抗凝固薬服用患者の手術時期は抗血小板薬・抗凝固薬の作用時間から休薬期間を設定するので,待機手術となっていた.
当院では2017年から抗血小板薬・抗凝固薬の継続を基本とした術前管理プロトコルを作成し,早期手術に取り組んできた.本稿では,当院の抗血小板薬・抗凝固薬の術前管理プロトコルによる合併症と予後に及ぼす影響を従来の休薬期間を設けた管理方法とを比較・検討した.
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