Japanese
English
経験と考察
大腿骨近位部骨折患者の入院時の無症候性細菌尿とセファロスポリン耐性菌の存在
Preoperative asymptomatic bacteriuria and cephalosporin-resistant bacteria in patients with hip fracture
深澤 高広
1
,
植木 正明
2
,
佐藤 啓三
1
T. Fukazawa
1
,
M. Ueki
2
,
K. Sato
1
1西脇市立西脇病院整形外科
2西脇市立西脇病院麻酔科
1Dept. of Orthop. Surg., Nishiwaki Municipal Hospital, Nishiwaki
キーワード:
hip
,
fracture
,
asymptomatic bacteriuria
,
preoperative
Keyword:
hip
,
fracture
,
asymptomatic bacteriuria
,
preoperative
pp.1165-1167
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei71_1165
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は じ め に
大腿骨近位部骨折術後の合併症はせん妄がもっとも多く,その次に肺炎,尿路感染症,心合併症などが多い1,2).術後の尿路感染症の発症率は8.3%との報告3)があり,また術前の症候性細菌尿(尿路感染症)は敗血症や術後の創部感染症の原因となる4).外科的手術の際に,手術部位感染を減少させるために,予防的抗菌薬の使用が行われている5).大腿骨近位部骨折患者の術後尿路感染症や創部感染症などの発症原因の一つに,入院時に合併する無症候性細菌尿の原因菌のなかに周術期に使用される予防的抗菌薬(セファロスポリン系抗菌薬)に対する耐性菌の存在が関係している可能性が疑われる.
大腿骨近位部骨折手術目的で入院した患者のなかで,無症候性細菌尿の頻度とセファロスポリン系抗菌薬に対する耐性菌の存在を主要評価項目に,無症候性細菌尿発症に影響を与える因子を副次項目として検討したので報告する.
© Nankodo Co., Ltd., 2020