Japanese
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昨今の取り組み
Lean Six Sigmaによる大腿骨近位部骨折治療パスの改善
Hip fracture care pathway:improving quality of care with Lean Six Sigma
植木 正明
1
,
深澤 高広
2
,
宮井 大介
3
M. Ueki
1
,
T. Fukazawa
2
,
D. Miyai
3
1西脇市立西脇病院麻酔科
2西脇市立西脇病院整形外科
3西脇市立西脇病院歯科口腔外科
1Dept. of Anesthesiology, Nishiwaki Municipal Hospital, Nishiwaki
キーワード:
hip
,
fracture
,
Lean Six Sigma
,
care path
Keyword:
hip
,
fracture
,
Lean Six Sigma
,
care path
pp.347-351
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei74_347
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は じ め に
欧米ではエビデンスに基づいた標準的医療を適切にかつ効率的に提供するために,品質改善手法であるLean Six Sigmaを利用して医療の質の改善1,2)を行っている.しかし,わが国では医療の質を評価し,改善する取り組みは遅れている3).
大腿骨近位部骨折患者の術後合併症の発症率は8.1~25.2%と高く,さらに30日死亡率は2.9~10.8%と高い4).欧米では老年内科医との共同管理5),手術までの時間の短縮6),標準化された集学的治療7)が患者の予後改善に有効であることが示されている.一方,わが国では早期手術が推奨されているが,手術待機期間は4.5日8)と長く,老年内科医と共同管理による集学的治療を行える病院は少なく,整形外科医の単独管理が通常である.
当院では2017年から大腿骨近位部骨折患者の入院治療パスに米国麻酔学会(American Society of Anesthesiologists)が主導している周術期包括的医療システム(Perioperative Surgical Home:PSH)9)を参考に麻酔科医が参画し,Lean Six Sigma10)による品質管理手法を利用し,エビデンスベースに入院治療パスを設計し,医療の質の改善を図ったので報告する.
© Nankodo Co., Ltd., 2023