大腿骨近位部骨折に骨接合術が施行された症例の退院時歩行能力

Walking ability at discharge in case of osteosynthesis for proximal femoral fracture

は じ め に

　超高齢社会が到来した近年，大腿骨近位部骨折（proximal femoral fracture：PFF）の発生数は増加傾向にある^1～3）．さらにPFFは骨粗鬆症関連骨折のなかで，機能予後と生命予後にもっとも影響を与えると考えられている^4）．しかも，PFFには適切な手術をし，適切な後療法をしたにもかかわらず，術後歩行能力が術前歩行能力まで改善しない例もある^5）．われわれは大腿骨近位部骨折手術後に退院時歩行能力が術前レベルまで改善しなかった症例の特徴を明らかにすることを目的とし，比較・検討したので報告する．