立位全脊柱X線撮影時に鏡によって視線を統一させた場合の矢状面アライメントの変化

Effects of mirror placement on sagittal alignment of the spine during acquisition of full-spine standing X-Rays

【要　旨】

　目　的：全脊柱X線撮影時に，鏡を設置して視線を統一することによる矢状面アライメントの変化を調査することである．

　対象および方法：TOEI study 2012での撮影姿位は楽な姿勢での水平視，一方TOEI study 2014では眼前に鏡を設置して撮影が行われ，比較・検討を行った．

　結　果：354例が対象となった．X線パラメータはpelvic tilt（18°⇒21°），cervical lordosis（13°⇒23°），McGregor’s slope（2°±11°⇒−9°±8°），sagittal vertical axis（46mm⇒23mm）へと変化した．Leven検定では2014年のMcGregor’s slopeの標準偏差は2012年とくらべて有意に小さかった（p＜0.01）．

　結　論：鏡の設置による視線の統一は頭蓋パラメータのばらつきを減少させるので有用である．